うんざりブログ

それぞれ-1/-1の修正を受ける。

2020-01-01から1年間の記事一覧

靴ひも

あらためて自分の身体というものを考えてみるとよくできているものだと思う。頭からつま先にいたるまで細かな血管が張り巡らされ、決して滞ることなく血液が循環し続けている。もちろんこれは僕たちがこんこんと眠りこけている間であってもである。もしもこ…

ウンコマンとの未来(完)

僕たちは過去への恐怖を克服することができず排便行為を忌避した。そして現代の魔女狩りとばかりに迫害を繰り返した。駆逐すべき悪魔は自分自身が生み出したものとは知らずに。在りし日より幾千もの月日が流れ、もはや老いた母親を山に捨てに行く必要はなく…

産み落とされたウンコマン

男性用トイレには小便器と大便器それぞれ目的に合わせた異なる便器が用意されている。男性の場合は、女性とは異なり、排便と排尿で同じ姿勢を取る必要がない。同じ面積であれば小便器の方がより多く設置できるため、混雑時の回転などを考えるとより合理的な…

かつて僕たちはウンコマンだった

――部屋の外からワイワイと楽しそうな声が聞こえてきた。暑さも、寒さも、日光も、何も防いではくれないような薄手のカーテンを開けると、家の目の前の道路を、学校帰りの子供たちが列をなして歩いている。密集する建物の間を縫うようにして西日が差し込み、…

頼むからアンチであってくれ

インターネットにおける有名人への誹謗中傷が問題になっている。誰かの言葉の毒にあてられて心を病んでしまえばそれを理由にさらに多くの悪意が集うことになる。 そうした事態を防ぐための法の整備が謳われて、実際に、ひどく中傷してきた相手に対して訴訟を…

オタクの好きなオオカミ少年

むかし、むかし、ある村に、ひとりの少年がいました。 少年の仕事はヒツジの世話をすることで、丘の上にいるヒツジたちの面倒を見ていました。 来る日も、来る日も、同じことを繰り返す生活に、少年はちょっと飽き飽きしていました。なにか面白いことは起こ…

年上好きの女 年下好きの男

わけわからんコメンテーターの主な著書みたいなタイトル。 年の差婚などと言うけれど、この場合の年齢差というのは絶対的な差で考えるよりも相対的な差で考えるべきではないだろうか。40歳と50歳の中年カップルであればおかしなことはないけれど、27歳と17歳…

今年の秋は短かった

大学を卒業してからのはじめの一年が終わる。今までは学生という身分に帰属意識を持っていればよかった。実際にそれだけが僕の全てだった。唯一の拠り所がなくなってはじめての一年だ。このあいだ僕は何者でもなかった。 ところで、今年の秋は短かった。 人…

限りない透明とブルー

その鳥はいつも何かを不満に感じていた。目に映るもの、耳にするもの、肌で感じるもの、すべてに怒りを覚えた。 かつて森の中の湖畔にて喉を潤そうとしたときに自分の姿をはじめてみた。その湖の水はとても綺麗で透き通っていて、水面はまるで鏡のようだった…

ブロガーという蔑称

もちろん僕もブログを書いているわけで『なるほど自虐で落としてくるタイプのやつね』と全てを見通したつもりになられているかもしれませんがそれは大きな間違いです。今回のオチは下ネタです。 そもそもブロガーの定義とはなんでしょうか。もちろんブログを…

昼下がりの教室。開いた窓に吹き込む柔らかな風がベージュ色のカーテンをふわりと揺らしていて、そこから差し込む太陽の光が綺麗に並べられた机のひとつに暖かな影を作っている。クラスの男子のほとんどはグラウンドでサッカーをしていた。いつもそうだった…

セミ

あれは小学六年生の夏休み、相も変わらずひどく暑い日のことだった。僕を一日のあいだずっと天から睨みつけていた太陽はとうとう西の彼方にその姿を隠してはいたが、最後の抵抗とばかりに空を橙色に染め上げ、気温こそ少しだけ下がったものの、辺りの空気は…

せかいのおわり

彼女がまばたきをしたら世界が終わってしまった。 どうか僕のことをおかしいと思わないでほしい。怪しい宗教に目覚めたわけでもないし、薬物乱用の末に幻覚を見ているわけでもない。もしも僕がおかしくなっていると思うのであれば、それはあなたも気がつかな…

必見!人生について調べてみたら意外なことが分かった!

こんにちは! 煩悩を数えてたらなぜか一つ余って109あった渋谷女子ファッション系ブロガーのこねこねうんこ子猫(id:neet_neat)です! 本日は僕が今まで生きてきて感じてきた実体験をもとに人生についてわかりやすくいろいろとまとめてみたので良かったら最後…

優しいあの子は性依存症

記事を書くに際してタイトルというのは非常に重要だと思います。しかしながら自分はどちらかというと適当につけてしまう方です。この適当というのはちゃらんぽらんとかそういう意味ではありません。苦しみの末の諦念の適当なのです。本来であればオシャレで…

救い

男は電車に揺られていた。いくつかの路線を乗り継いで目的地を目指していた。長い時間をかけての移動となると普段であれば早々に眠りこけてしまうところであるが、その日はボンヤリと外を眺め続けた。穏やかな空模様の移ろいのように、窓越しの景色はゆっく…