うんざりブログ

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2022-01-01から1年間の記事一覧

僕は時間には勃起しない

祇園精舎の鐘の声が聴こえる。ゆく河の流れは絶えない。 世の中は常に変化している。目まぐるしく動いている。僕だけを置き去りにしている。そうでもしなければ明日を迎えることができないと言わんばかりに。それこそが明日を迎えることだと言わんばかりに。…

愚痴を言われて勃起した

「新人の子どんな感じ?」 アセスルファムカリウム。僕は彼女たちの言葉を人工甘味料のようなものだと思っている。それは不自然に甘く、嫌な後味を残す。媚びるような表情の下に潜む感情に、マスクに隠されている獲物を見つけた時の舌舐めずりに、気がつかな…

世界最強フリーターの俺氏ついに仕事を辞める~急に辞められるとシフトの穴埋めが大変だからとりあえず今月末までは働いてと言われてももう遅い~

この物語はフィクションです。実際の人物や団体などとは決して関係ありません。 あらすじ とうとう労働が面倒になったので仕事を辞めることにした。すると今まで僕をただの店員の一人にしか考えていなかった店長が慌てて「シフトのこともあるし今月末までは…

僕の食生活は柔らかな卵に支配されている

たしかに卵は多くの料理で使われている。和食、洋食、中華――ネット検索無しですらすらと提示できるのはこのあたりが限界だ。しかしながら僕が蓄積している知識だけでは表すことのできないその他あらゆる料理ジャンルでも幅広く用いられているのではないかと…

輪廻

「生まれ変わっても一緒に生きようね」 彼女はそう言って僕の手を握った。包み込むように重ねられた白い手は、磊落な彼女には似つかわしくないほど繊細だ。僕は何も言わずに彼女を抱き寄せる。息遣いには一瞬の驚きが混じりこみ、それが安らかな吐息へと変わ…

君はもう幼くない僕を推さない

これが浪人か、さらばもう一度 『推し』について 推しという概念が理解できない 推しという言葉について 君はもう幼くない僕を推さない これが浪人か、さらばもう一度 いよいよ三十路を迎えようとしている。 ちょうど十年前。僕はいまと同じように自宅に引き…